岐阜県ライフル射撃協会

活動報告

ビームライフル体験会(平成23年春)

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子供から大人まで


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 大変多くの方にご参加いただきました
  (延べ158名)


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空手の選手も体験しました 


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 高校生のお姉さんの指導もありました


視覚障害者とライフル射撃《盲学校の文化祭》

プロローグ

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 平成15年の8月、そのメールはある方から岐阜県ライフル射撃協会に届けられました。岐阜盲学校のM先生から「10月の文化祭で生徒達にビームライフルを体験させてやりたいのですが、お願いできませんか。」 というものでした。どうやらM先生は、以前我々の行ったNoptelを使用しての体験射撃をまさに体験したそうで、今回は「それを文化祭でもやってほしい」との依頼でありました。
 Noptelはヨーロッパ製の射撃分析装置で、分析機能の他に10点に近いほどビープ音が高くなるという音声機能を備えており視覚のみならず音でも10点をとらえることが出来る装置です。


検討会

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 直ぐに検討会を行い、とりあえずNoptel(射撃分析装置)を使用して「ビームライフル体験会」に対応しようとしましたが、必要と思われる台数が足りない、Noptelはビームライフルで その機能を使うことが出来ない、実際のエアライフルを盲学校に持っていくことは法律の関係上困難である、等の理由から更なる検討を余儀なくされました。
 そんな中 NEC米沢のデジタルシューティングにはその機能はないかという質疑があがり、早速に問い合わせを行いましたところNoptel同様ビープ音を出すことが出来るとの回答でした。 更に事情をお伝えしましたところ岐阜盲学校の文化祭での催しに全面的に協力しますとのありがたいお返事をいただいたことから、岐阜県ライフル射撃協会としましてはデジタルスポーツシューティングシステムを利用して岐阜盲学校の文化祭に対応することに決定したのです。


実 験

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 岐阜県ライフル射撃協会員の中に既にデジタルシューティングピストルの購入者がいたことから、その購入者であるNさんの協力のもと視覚障害者に対する指導をどのように行うか実験をしました。 とりあえず相手は初心者であることから銃を台の上に載せ銃を置いた状態である程度固定できるようにしました。
 岐阜盲学校のM先生をお呼びして実際に射撃をしてもらいましたが、M先生の才能の豊かさなのか我々の心配は大きく裏切られ、私がビープ音の発するあたりまで銃先を案内したのは3回ほどで後は自らビープ音を探し、 それを見つけると音を聞き分け次第に10点あたりまで銃先を持っていったのです。M先生は全盲でありますがかなりの確立で10点を撃つことが出来たのです。我々は視覚障害者のかたの聴力がいかにすばらしいかを 思い知らされました。M先生は、この時の感想を「集中力を要するので大変ですがとてもおもしろい」とおっしゃり文化祭での催しに手応えを感じておられるようでした。
 実験は大成功でした。当初は補助が1台に2名は必要で銃先が何時の何点にいることを常に教示する者を付けるべきだとの考えでいましたが、このことでその必要はなく健常者の体験射撃同様1台1名で対応することに決定したのです。

NEC米沢の協力

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 実験を行った段階での問題点は、ビープ音が聞き取りにくい音色であったこと、ビープ音の出る範囲は1点以上であることから銃先をその範囲までガイドすることに手間がかかることがあげられました。また1発ごとに何点の 何時方向に着弾したか視覚障害者の射手が直ぐに分かるよう音声による教示が出来ないかといった要望をNEC米沢さんへお願いしたところ直ぐに対応していただきました。
 ソフトの改良によりビープ音は聞き取りやすく外部スピーカーを左右に置くとステレオで聞くことができたのです。つまり右へ行けば行くほど右しか聞えなくなり左はその逆となります。10点に近いほど両方のスピーカーから音が出て より立体的に音をとらえることが出来るのです。また1発ごとにバーンという射撃音が終わると何点何時方向と音声で教示される機能も要望通り付けていただき視覚障害者に対しよりやさしくなったと感じられました。
 当日は、ライフル2台、ピストル2台の計4台の貸し出しと技術員の派遣を了承していただき、こちらの技術的なトラブルに対する不安にも対応していただきました。大変感謝しております。
 ビープ音が聞えるまでのガイドに関しては、銃先にレーザーポインターを取り付けることにより補助者あるいは指導者が容易に銃先が標的側の何処にあるか確認できるようにしました。これにより射手が現在何処をねらっているのか一目で分かりビープ音が鳴る範囲までのガイドが容易になったのです。

盲学校での仮設置

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 文化祭の開催日である10月25日をほぼ1週間後にひかえ、すでにNEC米沢からはデジタルシューティングライフル1式がすでに盲学校へ送られてきておりました。M先生は「これを今回の文化祭の目玉にしたい。 上手くいけば今回に限らず今後も続けていきたい。」とかなりの情熱で取り組んでおられました。M先生の熱い活動の甲斐あって学校の生徒さんの前評判も上場、みなさん文化祭が待ち遠しいようでした。
 ビームライフル体験教室に与えられた教室は2室、本来生徒さん達が鍼灸やマッサージを教わるための実習室で、それ用のベットが各部屋6台ほど設置されておりました。教室はそれぞれ同じ作りで長さは10メートルに足りないことから、 まっている人たちのスペースも考え射撃距離を5メートルで設定しました。
 台にする物が問題になっていましたが、教室に設置してあった机とベットでちょうどまかなうことが出来ました。中でもベットは電動式になっており、これを台座に用いることで射手にあった高さ調整することが容易になると考えられこのベットを使わせてもらうことになりました。
 電源の数も何とか使える数がありました。実際距離を測って設置しましたが問題なく作動し後は当日を待つばかりとなりました。しかし、南側の教室は窓から太陽光が入ることから光が強い場合の誤作動が心配されました。
 設定は、5メートルの射撃距離ですが10メートルのピストルに設定したところビープ音も10点の範囲もかなり広げることが出来、初心者を相手の教室であることから当日もこの設定で行うことになりました。

10月25日文化祭初日

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 10月25、26日といえば、そうです国体の開催日です。 岐阜県ライフル射撃協会の主要メンバーは静岡国体の選手や応援でいないことから各クラブから募ったボランティア5名で両当日を補うこととなりました。 NEC米沢からは2名の方に来ていただき午前10時から全員で設置を開始、午後1時からの本番に備えました。
 本番直前にはM先生から、視覚障害者に対する基本的な応対方法を教えていただきました。声のかけ方からイスまでの案内方法、イスや方向の確認などこれまでどのように接して良いかよく分からなかった視覚障害者の方に対して これからはしっかりと応対することが出来るような気がしてきました。
 教室が始まると直ぐに長蛇の列・・・とまでは行きませんが、それなりの人が集まって射撃を楽しんでいただきました。初めは点数の範囲が分からず、大きく動かしてしまい音が捉えられなくなることも頻繁にありましたが、 そのような中でも微妙に変化する音に集中し真剣に10点をねらう姿はなんら健常者と変わらず、それ以上に楽しんでいるようでもありました。
 射撃で大切なことの一つに引き金の引き方があります。せっかく狙いで10点を捉えていても引き金の引き方が悪いと10点を逃してしまいます。視覚障害者の方でも同じでせっかく10点でビープ音が安定し10点を捉えていても 引き金を引く瞬間に大きくはずれてしまうということが多く見受けられました。健常者も視覚障害者であっても射撃スポーツの基本は同じと言うことです。